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シトリンについて
最近、シトリンを売るたびに説明をしないといけないのでアップしておきます。
シトリン系は、いろいろなタイプがありますね。
最近原石業界をよく知る業者より入手した情報では、天然もごろごろあるようです。ただ、鑑別に出すと熱処理という結論が出てしまうようです。おそらく鑑別業界側のデータの不足が原因ではないかと考えられます。多くの天然色原石を入手し、分析しなければならないのかもしれません。弊社もシトリンについては追いかけていこうと思います。
- 天然シトリン
黄色(やまぶき色系)
ブラジル産のアメジストを熱処理したものが多い。アメジストの熱処理ですからクラックが見られるものが多いと思います。天然色のビーズや丸玉、タンブル等加工物は鑑別結果からほぼ皆無。ここでは、まず天然シトリンから説明していきます。宝石鑑別できちんとシトリンとして鑑別されるものです。
シトリンという石は、アメジストが地中で熱によって黄色に変色した石です。したがって地表に出てきた時にすでに黄色のものこそが、天然色のシトリンなのです。現在流通している加工物(ビーズ、丸玉、タンブル)は、多くの鑑別結果から、ほぼすべて地上に出てから加熱し色を変色させたものです。ブラジルにおいて原石の段階で熱処理を加え色を変えます。加工の中心地中国では、原石が黄色だったから天然色のシトリンだと言い張りますが、分析すると熱処理であることが判明します。
原石で稀にシトリンがありますが、そんな希少なものを加工したりしません。ルースに関しては、稀にありますが・・・。天然色と熱処理による色をどのように判別するのか?
これは、分析をかける以外に方法はありません。成長の履歴を分析するわけです。
地上で焼かれたシトリンは、短時間。地中で焼かれたシトリンは、長い時間をかけて焼かれるためその石の成長履歴の特徴を分析するわけです。私見ですが、天然シトリンという呼び方は間違っていないですが、消費者の誤解を招く、正しいといえないグレーゾーンでしょう。天然色シトリンと呼べるかどうかですね。シトリンの元はアメジストな訳ですから、熱処理されシトリンになった時クラックが多いのが理解できますよね!!
そしてもとがアメジストな訳ですからちょっと高いのも納得せざるをえません。
ノークラックのシトリンなんかものすごく高くなってしまいます。
ちなみにマメ知識ですが、色の薄いアメジストを焼くとシトリンは濃くなり、濃いアメジストを焼くとシトリンは薄くなります。おもしろいですね。
だから、高品質の色の濃いシトリンは実は、使えない色の薄いアメジストだったんですよ。
色の薄いシトリンは、色の濃いアメジストだったんですね。
- スモーキーがかった
シトリン 黄色でレモンクオーツ系ですね。中国でよくあるタイプ
こちらも天然があるにはあります。が、これもわざわざ珍しい色目を結晶から加工物にするのは稀です。
ではこちらは、どのような処理がされているのか?
こちらは、スモーキークオーツの放射線処理が一般的です。
実は、このスモーキーシトリンも地中で放射線を浴びて黄色に変わるのです。ですから、先の天然シトリン同様、地上でスモーキーを放射線処理したのか、地中で放射線処理されたのかを成長履歴の分析により判別を行います。
弊社のスモーキーシトリンは、熱処理と放射線処理の合わせ技とのことでした。
- レモンクオーツ
薄い黄色
鑑別に出したことがないですが、中国で処理されているものでしょう。こんど鑑別に出す予定です。詳細はまたこのコーナーで。おそらくスモーキーの放射線処理です。
- 合成水晶シトリン
色はなんでもできます。とってもきれい練りですから。弊社にはございません。
合成水晶は色がいろいろ作れます。気をつけてください。
- 天然色シトリン
原石では稀にありますが、加工物(ビーズ、タンブル等)ではまずありません。
先に述べたように天然色のシトリンは、原石で稀にある程度です。ルースももちろん稀です。ビーズや玉、タンブルでの天然色シトリンは、鑑別の先生が過去の多くの分析事例からほぼ皆無とのことでした。
長くなりましたが、ご不明な点ございましたらご連絡お待ちしております。